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国民生活金融公庫総合研究所が発表した「中小機械工業の経営活動に関する調査」で、目を引いた点が2点ありました。 |
今回も前回同様、国民生活金融公庫総合研究所が発表した統計調査に注目したいと思います。今回注目するのは、平成17年1月27日に発表された「中小機械工業の経営活動に関する調査」です。ホームページで紹介されています。
国民生活金融公庫ホームページ
http://www.kokukin.go.jp/
上記調査結果の紹介ページ
http://www.kokukin.go.jp/pfcj/pdf/kikai_050127.pdf
この調査で目を引いた点が2点ありました。
1点目は、「3割を超える企業が過去5年間にメーン受注先を変更」という事実です。
この東海地域では、機械工業と言えばトヨタ自動車の地盤が強大です。系列構造が以前に比べ弱まりつつあるとは言え、今でも最も大きな影響力を持つのは系列です。しかし、多くの企業が「1つの受注先に頼る」という売上構造に危機感を抱き、他に受注先を広げなければという課題を持っています。
そのような中、全国的には3割もの企業が、既にメーン受注先を変更しています。大手メーカーの生産拠点が海外に移行しつつある中、受注基盤を失った企業が数多くあることを、この数字が物語っています。
一方で、私の知り合いにも、逆にこのような海外移行の動きを追い風にして、メーン受注先からの受注を拡大している会社もあります。海外の工場では果たせない「短納期」「高品質」「特殊技術」「小回り」等を武器にできる等、自社の特徴となる部分を高めることが生き残り策であることを、こういった会社が実証しています。
2点目は、「最新設備導入の有無が業績を左右」という調査結果です。発表資料を引用すると
『「最新設備導入による生産能力の増強」を実施した割合は、5年前と比べて売上高が増加した企業で58.1%なのに対し、減少した企業では28.2%と差が大きい。工作機械の高性能化に伴い、保有設備の内容が業績を大きく左右する一因になっていると考えられる。』
とあります。
昨今の製造機械は、以前は熟練工でしかできなかった技術も施せるまでに発展し、大きな力を発揮しています。育成に何十年という年月を要する熟練工に比べ、機械は使いこなすのに時間がかかりません。こういった機械の操作を抵抗なく飲み込める若手の存在も、企業発展の大きな鍵になっています。このことは、前々回のレポート「若手の人手不足」でも述べましたが、今回の調査結果を見て、事実を再確認いたしました。
いずれにせよ、親会社に受注を頼り、熟練工に技術を頼る従来の製造業の在り方が通用しない世の中が定着してきました。以前から申し上げているように「過去の成功体験」が仇となる時代です。世界情勢や最新技術に目を向け、敏感に柔軟に対応できる企業が、今も生き残り元気に成長し続けています。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男 |