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「私だけは大丈夫。」勝手な思い込みでリスク対策をしないことがリスクなのだ、と考えさせられました。 |
先日出揃った各省庁の平成18年度税制改正要望事項を読みましたが、今年もいくつかの省庁から地震対策の支出について税の軽減措置の要望が出されていました。たしかに、減税策が実施されれば、建物補修や保険加入などハードな部分での対策が進んでいくかもしれません。しかし、これだけでは本当の意味でのリスク対策は施せません。
災害心理学には、災害時の人間の心理状況として、「正常化の偏見(「normalcy bias=正常性バイアス」ともいいます)」といわれる現象が起こるといわれているそうです。このことについて、文藝春秋10月号に京都大学の鎌田浩毅教授が「地震列島「発生確率」の読み方」と題して、寄稿されていました。
この場合の現象について氏は誌上で、「人間は何か事態が良からぬ方向に向かっていても、私だけは大丈夫と勝手に判断してしまう思い込みが少なからずある」と説明しています。
つまり、危険であることは頭で理解できても、それが自分にふりかかるとは思えず、早い段階で避難をする判断ができない心理状態を指すようです。早い段階での判断ができなければ、損害規模は大きくなります。ハードな部分もさることながら心理状態による行動如何で、損害規模が大きく左右されてしまいます。
このような心理状態は、災害時だけではなく災害前にもいえるのではないでしょうか。
「自分は災害に遭うはずはないのだから対策する必要はない。」
このような心理状態では、自分で自分の身を守るための事前対策を取ることはしません。
鎌田教授は、自身を守るための避難対策として、地下にいるときに災害に遭う場合に備え、暗闇から脱出するために「5センチほどの小さな懐中電灯」と「予備電池1本」をペンケースに入れているそうです。
たしかに地下が発達している都市で災害が起こり、地下が被災し、停電ともなれば暗闇の中で脱出を試みなければなりません。地下が被災しない保障はどこにもないのです。私が住んでいる名古屋市も、地下は発達しています。毎日のように地下鉄を利用する身として、自分の考えを改めさせられた気がします。
政府の特別機関である地震調査研究推進本部がまとめた「地震の将来予測への取組」によれば、今後30年以内に東海地震が起こる確率はマグニチュード8.0規模で86%あるそうです。
これらを踏まえて、早速、私は暗闇から自分の身を守るために、量販店で小型の懐中電灯と予備電池を購入しました。自分で自分の身を守るために、災害を想定した備えをどこまで施すのか。再度、考えてみる必要があるのではないでしょうか
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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