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「人を動かすことのできる人は他人の気持ちになることができる人」と聞いたことのあるような言葉ですが、では、「他人の気持ちになる」とはどういうことなのでしょうか? |
2006年2月1日付けの日経新聞「やさしい経済学ー日本の企業家 本田宗一郎」の記事に私自身考えさせられることが多くありました。
同記事の中で、執筆者の一橋大学教授野中郁次郎氏は、本田宗一郎が語ったとして、以下のように述べています。
「人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになることができる人である。相手が少人数でも、あるいは多くの人びとであっても、その人たちの気持ちになりうる人でなければならない。そのかわり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩まない人は、他人を動かすことができない。私はそう思っている。自分が悩んだことのない人は、まず、人を動かすことはできない」
この項目の表題は「本質を見抜く」というテーマになっているのですが、氏は続けて「宗一郎は、物事を自己中心的な立場からみるだけではなく、全体的な関係性で自己をとらえなおすこともできた。常に根底に潜む「本質は何か」と問う姿勢は、変わらなかったのである」と述べています。確かにそれがホンダのDNAとして受継がれていますし、私自身も、「人を動かすことのできる人は他人の気持ちになることができる人」という点には感ずるものがあります。
確かに、他人の気持ちになれるというのは非常に難しく、自分が悩み、悩み抜かないと他人の気持ちになれない、というのは私も仕事の中で何度も痛感しています。
先日も、「あなたの行ってきた経営の長い歴史のなかで一番考え悩んだときはどのようなときだ」と問われることがありましたが、自分が「これは」と思った人材が他所へ去るという報告を受けたときが一番何よりも心に重いと応えました。
その人がやめるきっかけとなった要素を自分がもっと気づくことが出来なかったか、それなりの対応ができなかったのか、もっと他に方法がなかったのか。私の心で深い悩みとなり、無念残念という気持ちでいっぱいになります。
本田宗一郎氏の「自分が悩まない人は他人を動かすことができない」という言葉に含まれる意味はたくさんあると思いますが、人を動かすことは、「その人を知り、その人のためにどうしたらいいのかを真剣に考える」ということであると、改めて教えられた気がします。
これは、私自身も自戒させる一文になりました。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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