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賃金の基準を時間ではなく成果で計ろうとする「ホワイトカラーエグゼンプション制度の導入」。労働生産性向上に一役買う制度かもしれません。
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厚生労働省の労働政策審議会で、現在、非常に注目すべき議案が上がっています。「ホワイトカラーエグゼンプション制度の導入」というものです。
これはつまり、一部の平社員の労働時間規制を撤廃するというものです。これにより、対象となる平社員の残業代をゼロにすることができるようになります。
現在の労働基準法では、いわゆる管理職か裁量労働制に該当する特定の専門職等については、その業務・役割の性質から見て、労働時間ではなくその裁量について給与が支払われるとの考え方から、「残業代ゼロ」とすることができます。しかし、これに該当しない一般の平社員については、過剰労働を防止するため、労働時間の上限が労働基準法で定められ、超過の場合には残業給の支払が義務付けられています。
現在、厚生労働省の労働政策審議会は労働法制の見直しに着手していますが、その議論のたたき台を明示する際、労働基準法の改正案の一つとして、この「ホワイトカラーエグゼンプション制度」の導入を挙げたわけです。
これにより、労働者は労働時間に関係なく、自立的に能力を発揮し、その自分の能力を評価してもらって、給与を得ることができるようになります。つまり、能力の高い労働者は、たとえ労働時間が少なくとも、効率的に成果を上げることで、高年収が狙えるというものです。このことは、労働生産性の向上に非常に貢献すると考えられます。
一方で、「時間管理がなくなることにより、過労死が増加するのではないか」「残業代削減策として、企業が悪用するのではないか」等、この動きを危惧する意見も数多く出てきています。
実際に残業代の支給に関しては、単に「労働時間」という部分にのみ注目しており、個人の能力、質の問題が無視されています。言い方は悪いかもしれませんが、創造的な業務などは、残業が多いことと、本人の処理能力や業務遂行能力は、多くのケースにおいて反比例の関係にあります。経営者としては、時間ばかりかけてなかなか成果の上がらない社員よりも、効率よくたくさんの業務をこなし成果を上げる社員に対して、高い給与を支払いたいというのが本音です。その意味で、ホワイトカラーエグゼンプション制度導入に魅力を感じる経営者は多いのではないでしょうか。
確かに、労働環境の向上という点からは、この制度の導入にはさまざまな問題が存在しています。しかし、労働を時間だけで評価するのではなく、能力で評価することに重点を移していくことについて、国の政策というレベルにおいても、今後はもっと考えていかなければならないのではないでしょうか。今回の審議はその転機になると注目しています。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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