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ヒト・モノ・カネはそれを活かせる人に集まるという話があります。逆に、財を承継してもその人にそれを活かすだけのものがなかったらどうなるのでしょうか?
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2006年7月31日付けの日経新聞「人脈追跡」によると、メディア・娯楽・IT業界の大物が米ロッキー山脈のサンバレーに集まって毎年開くメディア会議で、今年注目されたのは、農業都市オハマから出席した「オハマの賢人」ウォーレン・バフェット氏であったと紹介されていました。
氏は著名な投資家ですが、数週間前に370億ドルもの寄付を表明して世界を驚かせたばかりです。その寄付の大半は、ビル・ゲイツ氏夫妻が運営する世界最大の慈善財団に送られるそうです。
ビル・ゲイツ氏がハイテク業界で大資産家になったのに対し、バフェット氏は飲料や髭剃り等のローテク業界にばかり投資をして、「理解できないものには投資しない」の信条を貫き、巨額の資産を築きました。世界の成功者であるゲイツ氏が慈善活動に傾斜したのも、「多額の資産相続は経済格差を助長するから、自己資産の99%は社会へ還元する」と明言していたバフェット氏の影響だそうです。
桁外れの資産だからこそできるというひがみの声もあるかもしれませんが、奇しくもアメリカのブッシュ政権が定めた税制は、「2010年には相続税を撤廃する」というものでした。
かつて、ゲイツ氏等も、「相続税を安くすることは決して子孫に良い影響をもたらすわけではない。努力することを忘れてはならない。そのためにも相続税を軽減するのは問題だ」と発言しています。通常の資産家からすると反論されそうですが、私も税理士の立場から数々の相続を見てきた経験上、実際に代がかわることによって、その人間力の差が大なり小なり財産を吹き飛ばしてしまっている例は山ほど目にしてきました。
大切なのは、人材の育成であって、財産を多く残すということではありません。もちろん財産は多いに越したことはありませんが、何が大切かという視点で事業承継を考えると、財の承継よりも人徳の承継の方が先であると思います。
この記事を読み、改めてこのことを痛感しました。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男