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WEEKLY REPORT 名南経営センターグループ代表 佐藤  澄男
政府税調の中期答申の先送り
2006/09/28

これまで3年に一度必ず行われていた政府税制調査会の中間答申が今年初めて行われませんでした。私なりの推察と税の専門家としての想いを述べます。



 政府税制調査会の委員の任期は一般的には3年で、その3年に一度
の任期を迎えるたびに、将来の税制改革の方向性を中期答申として
提言するというのが、今までの流れでした。そしてこの答申は、次
年度の税制改正に大きく影響するものです。

 しかし今回初めて、この9月にまとめる予定だった中期答申を
出さず
、これに代わって「今後の税制改革についての議論に向けて」
という”会長談話”のかたちで12日に公表されました。

 この談話によれば、今回中期答申を出さなかった理由として、「
将来もっとも適切なタイミングで答申をまとめることが、税制改革
を進める上で有意義である」と述べています。記者会見上でも、石
弘光会長は、「機械的な、あるいはカレンダー的な意味合いで出す
よりは、税制改革は、本格的に行われる時期に、我々の意見が一番
反映させやすいときに、これはまさにさっき申し上げたもっとも適
切なタイミングでまとめる」と発言しています。

 そもそも中期答申を出さなかった背景には、今年7月に政府が
まとめた歳出・歳入一体改革の中身が、小泉政権の交代と重なった
ことも影響して、政府与党が骨太方針で消費税の上げ幅や時期を
明記しなかったことで、税制改革の全体像を描けなかった
という
ことを意味しています。

 折しも総裁選で、谷垣財務大臣だけが消費税10%への増税を謳っ
ていました。これは他の候補との差をつけるためのアドバルーンと
も見えなくもありませんでした。国民は誰しも増税を好む者はいま
せんし、また、景気への影響度も大きいため、当然増税は少ないほ
うがベターです。この意味において、安部氏が打ち出していた「ま
ず歳出削減ありき」というところから消費税を考えるという方向の
ほうが、国民からは評価されやすかったであろうと思われます。

 一方で、政府税調の中期答申を出すにあたっては、この消費税問
題には具体的に踏み込まざるを得ません。本来政府税調が政治に
中立であるならば、慣習どおり中期答申を出すべきではなかっ
のかと思います。石会長は「税制改革は政治主導にならざるを
得ない」と発言されていましたが、今回の答申先送りの決定は、
政治改革が重なり、参議院選挙も踏まえての延期であるならば、
政府税調のありかたそのものについて、失望感をぬぐえません。

 私自身、税制改革は、政治に中立な立場で、多様な議論の中で生
まれてくべきだと考えております。今回の中期答申の先送りは、税
の専門家として、残念といわざるを得ません。

              名南経営センターグループ 代表
              税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男



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