私ども経営者は、日々経営のことについて頭を悩ませ続けています。その最たるものは、人の問題です。近年、デフレが続き、雇用による賃金は抑えられてきていました。しかし、ここ何度かこのコラムでもご紹介していますキーワード、「ゼロ金利解除」「雇用の確保」「時給の上昇」など、人とインフレの問題は、どうやら日本だけに限らないようです。
2006年9月7日付けの日経新聞「ウォール街ラウンドアップ」に、米国で事前予想を上回る労働コストの上昇が書かれていました。
また、22日付けの日経新聞「大機小機」では、中国やインドでの賃金上昇について書かれています。両国とも賃金の絶対額は未だ低くても上昇率が目覚しく、目立っていることが書かれていました。
両記事とも共通するのは、賃金上昇による企業のコスト増を懸念する内容です。
現状コスト増の問題として、原油価格の高騰は懸念されています。しかし、企業コストに占める賃金比率は世界中のどの企業でも高いといえます。「ウォール街ラウンドアップ」にも書かれているとおり、「原油高が怖いとはいえ、エネルギーはコスト全体の5%前後に過ぎない」といえるでしょう。
働く者にとって、賃金上昇は喜ぶべきことです。しかし、企業コストが膨らむことは、経営者にとって悩ましい問題です。日本の大企業が不況化から盛り返してきた背景は、従業員のリストラが大きく影響しています。今後、賃金上昇とともにインフレの時代がやってきたときに、企業コストの構図がこれまでとは違うものになるでしょう。日本の企業もこの点については、十分検討しなければなりません。
諸外国の問題を明日のわが身と受け止めて、日々内部での研究が必要といえます。もちろん、企業コスト圧縮のために諸外国へ進出している企業は、最重要問題と認識して、今後の経営計画を見直す必要に迫られています。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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