最近聞いた話ですが、東京都庁の建物の維持費は、毎年50億円かかっているそうです。しかもそれは現状を維持するのにかかる費用です。例えば、既に建物のアーム部分からの雨漏りがひどいそうですが、それを抜本的に直すとなると、2000億円以上の修繕費がかかるとのことです。
先日たまたま有楽町の国際フォーラムで研修があり出かけたのですが、そこの建物についても、やはり50億円ほどの維持費がかかると聞きました。
ともに、著名建築家の設計によって建設されたユニークなデザインの建物です。内外にその存在感を示し、その意味では効果を生み出しています。しかし、建築家が斬新な表現をすればするほど、それが逆に建物の維持管理には大きな負担が現実にかかってきてしまいます。
もともと建築維持管理費の総計は、建築費をはるかに上回ると、一般的には言われています。その上で、社会における公共財のあり方について考えてみると、大きな問題が浮き彫りになります。現状の公共財の建築は、建築コンペ等を通じ、あくまでそのユニークさ、斬新さが主体となって決定されている傾向があります。しかし、やはり税金で賄われるべき公共財について最も重要なのは、社会的コストが効率よくかけられているかどうかであり、その視点を第一に持って建築コンペでの判断基準とするべきではないでしょうか。
一方で、新幹線の駅などは、「どこの駅も同じだ」とよく評されるように、どの駅をとっても同じような雰囲気、造りになっているのが印象的です。
全ての都市が同じデザインでは特徴も無くつまらない街づくりになってしまうため、都市の美観を考えると、都庁や国際フォーラムのように斬新な建物が建設されることも大きな意味を持ちます。しかしやはり公共財については、観点を社会的コスト第一とすべきではないかという思いが拭い去れません。
税金がどのように使われているのか、改めて考えさせられる話でした。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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