最近、ガス湯沸かし器やシュレッダー等、安心と思っていた有名メーカーの製品での事故が明るみに出て、よくニュースや新聞で騒がれています。
その多くのケースが、製品自体の欠陥や不具合というメーカー側に責任が所在しているケースですが、問題となっているのは、そういった事故が生じていることがメーカー内で内密に処理されてしまい、なかなかユーザーに伝わらず、有効な再発防止対策がなされていないということです。報道で大きく取り上げられてから初めて事故を知り、自分も同じ機種の製品を使っていてヒヤッとしたという方も少なくないでしょう。
ユーザーの使い方に問題がある場合も多いのですが、メーカー側も、簡単な改造についてや、幼児や高齢者等の想定外のユーザー層の利用等、自社製品がどのように使用されるのかの想定範囲を広げて、安全対策に努める必要があります。
そして何よりも、事故が生じた場合や事故の可能性が発見された場合に、それを包み隠すのではなく、ユーザーに危険性が確実に伝わるように、あらゆる手段で告知し、事故防止を最優先に行わなければなりません。そのために、日々ユーザーの声、特に「ヒヤリとした」「ハッとした」という声は慎重に受け止めて、製品の危険について研究と対策を講じることが大切です。
先日新聞で目にしたある調査によると、自分の身の回りの製品で危ない思い(ヒヤリ・ハット体験)をしたことが「ある」と回答した人は、全体の4割以上にのぼったそうです。その原因は、半数以上にあたる55.8%が「自分の不注意や使い方のミス」であり、「製品の欠陥」が原因のケースは7.5%に留まったのですが、この調査結果からも、ユーザーの不注意が原因の事故についても、企業はあらゆる可能性を想定して事故防止に努力しなければならないことを物語っています。「当社には責任はない」と捉えて放置することは、企業の信用を大きく失墜することになります。
当社でも、数年前から「クレーム報告書」を「ひやりハット報告書」と名称を変え、起こってしまったクレームの報告だけでなく、クレームが起きる前の「ヒヤリ」「ハット」の段階での報告も社員に義務付けています。これにより早期の段階での対処が可能となるのではないかとの考えです。日ごろから「ヒヤリ」「ハット」を見逃さないという社員への意識付けが、大きなクレーム、問題が起きる前に適切な対応を行い、再発防止の対策を検討できるような、土壌作りとなっています。
ミスや問題は、誰もが隠したくなるのが正直なところです。それを隠れないようにする仕組みづくりが、業種業態に関わらず、どの企業においても重要な課題ではないでしょうか。ぜひこの機会に、自社のヒヤリハット報告体制について、見直してみてはいかがでしょうか。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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