中小企業の法人経営者が金融機関に金を借りる場合には、一般的には当然のごとく個人保証を求められます。本来有限責任であるべき法人ですが、中小企業に限っては、個人企業となんら変わらない形態が、日本では常態化されています。こういった個人保証については、諸外国に比べて日本は経営者にとって過酷だと言われてきていました。
2006年10月28日の日経新聞によると、経済産業省は、中小企業金融公庫を通じて、財務諸表を四半期ごとに報告すること等を条件に、経営者本人の保証を不要とした融資制度を来春にも導入するそうです。
個人保証は、事業に失敗した場合には私財が没収されて再起が図れないということが大きな問題になっていました。保証が個人にも要求されないとなると、一度失敗しても新たに起業しリスタートを切れますので、今回の制度は大きな朗報ではないでしょうか。
同紙によると、金利は基準の貸出金利である2.35%に貸倒リスク分0.2〜0.3%の上乗せとなるようです。
この経営者保証不要の中小企業向け融資は三菱東京UFJ銀行等の一部の民間銀行も手がけ始めたようです。まだ一般的にはなっていませんが、むしろこのような個人保証を常態としない融資がどんどん出てくることが望まれます。
この融資制度の目玉としていわれるのが、融資を希望する中小企業に対し、四半期ごとに財務諸表の提出を求めていることです。上場企業は四半期決算を整備することを言われていますが、中小企業にも四半期決算が条件となれば、より経理の透明性が増すことになります。しかし、これに応えるには経理体制がしっかりしていなければなりません。会計事務所にとっては業務底辺拡大の大きなチャンスです。
いずれにしても、経営の根幹である財務の透明性を増す意味においても良い制度です。現在プロジェクト起業についてもノンリコースローンがいくつか登場していますが、中小企業の融資についてもこの流れが加速することを望みます。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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