この夏の参議院選挙を睨んでか、突如政府がふるさと納税について本格的に検討を始めました。
ふるさと納税とは、個人住民税(地方税)の一定割合について、納税者が、生まれ故郷の自治体に納付することを選択できるようにするという制度です。2008年度税制改正で導入する方向で動いているようです。菅義偉総務相が今年5月に研究会を発足させ、塩崎官房長官も前向きの姿勢を表明しています。
私も名古屋市内に長く住んでいますが、やはり郷里の愛知県弥富町(現 弥富市)には強い思い入れがあります。この制度が導入され、納税総額が変わらないのであれば、その一部が生まれ故郷に振替えられるのは、個人感情としては望ましく思います。
しかし一方で、案としては確かに面白いとは思うのですが、税の仕組みから考えると、問題も多いのではないでしょうか。もちろん、大都市市長は受益者応能負担の見地から反対するでしょうし、更に突っ込むと、租税技術的にうまく機能するのかどうか、専門家としても非常に疑問を持っています。
私と同様の意見も浮上しているようで、最近ではこのふるさと納税に対して、さまざまな団体から、問題視する声があがってきており、政府が掲げた意気込みが通るかどうか、危うくなってきているように感じます。
議論はこれから始まりますので、まだどうこう意見する段階ではありませんが、納税技術的には寄附金控除にした方が、仕組みとしてはやりやすいのではないでしょうか。例えば、「一定範囲の納税額の10%を上限に、出身地の地方公共団体に寄付すれば、全額税額控除をしてくれる」等とすれば、意思もはっきりし、筋道も通りやすいと思います。
我々のように、故郷を後にした者にとって、興味深い制度であることは変わりありません。何らかの形でこういった故郷に還元できる制度が実現するよう、期待しています。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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