いじめや少年犯罪等、耳を疑うようなニュースが後を絶ちません。その根本原因として、しつけや教育が社会問題の一つとして広く取り沙汰されていますが、先日、興味深い記事を読みました。2007年5月28日付けの日経新聞「インタビュー 領空侵犯」の内容で、日本総合研究所調査部長の湯元健治氏が昨今の教育問題について、以下のように回答しています。
「突き詰めれば子どもたち自身が深く物事を考える力、自分の感情を適切に制御する力が失われてきているのが大きな理由だと思います」
そしてその問題解決のアイデアとして、囲碁・将棋の活用を強調されています。
同記事によると、湯本氏は、少年時代から将棋に打ち込んできたそうで、その効果について以下の3点を述べられています。
「第一は、手を読みながら勝負するゲームなので論理的な思考や大局的に物事を考える戦略的な思考を養えることです。第二に、どんな状況でも情緒や精神状態の安定を保つことができる辛抱強い精神力と、短時間で最善の手を探索する集中力を培うのに適した点です。第三に、未知なる世界が多いので、新しいものを生み出す独創性を育てるのに役立つという点です。」
「将棋や囲碁の効用には、勝負の厳しさ=競争社会の厳しさを教えるとともに、負け癖=負けてもへこたれない精神力を身につけることがあります。勝ち負けを数多く経験し、反省を繰り返すことで、忍耐力など通常の学校教育ではなかなか学び取ることのできない点や、人間として生きていく上で重要な数多くのことを子どもたちは学ぶことができます」
囲碁・将棋という発想もユニークですが、氏の意見にはうなずく部分も多く、日本的な教育の仕組みとして囲碁・将棋を取り入れるという考えは、多いに評価されるべきではないでしょうか。
同様に、私は近頃廃れている珠算も加えてはどうかと考えています。
最近では珠算を習う子どもは随分少なくなってしまいましたが、昔は珠算学校に行くのは当たり前のような状況でした。そうして珠算学校で珠算や暗算の計算能力を身につけたものです。昨今の子ども達の計算能力の低さは周知の通りですが、やはり「読み書きそろばん」というのは教育の原点であり、社会的な生活能力を身につける上で欠かせないものなのではないかと再認識しています。
さまざまな教育議論が広がっていますが、日本という歴史的基盤の中で日本人らしさを突き詰めていくことが、世界の中の日本の存在価値を示し、国際競争に打ち勝つために必要なのではないでしょうか。世界に通用する日本人を多く育成するには、日本人らしさの原点に立ち返ることがまず重要だと考えています。
基礎的な能力向上については、囲碁や将棋等を思い切って教育の場に取り入れるくらいの発想も頼もしく、それこそが教育改革と言えるのではないでしょうか。氏の意見に大きく共感しています。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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