福田康夫首相の「背水の陣内閣」がいよいよ発足しました。財政の基盤となる税対策がどうなるのかについては、多いに関心があるところです。
2009年度には、基礎年金の国庫負担増により2兆5000億円程度の財源が必要と報じられています。これについて、「自然増収があるので大丈夫」という意見を言う人もいるようですが、やはり消費税増税の問題は避けては通れない状況になっているのではないでしょうか。
現状の税制を考えてみた場合、更には、日本の現在や今後の財政状況を考えてみると、「経済成長による自然増収によっては増税をやめる」という考え方は納得はできます。しかし、高齢化社会等によって高まるさまざまな支出要求に対し、経済成長による自然増収だけで、果たしてどこまで賄い続けられるでしょうか。
国家は今だけしのげばよいものではなく、将来を見据えて制度や体質を整えていかなければなりません。国家百年の計を考えたときに、やはり消費税そのものについて、今この時点で、もっと大きな国民的議論をする必要があると思います。
確かに、消費税の増税に対しては国民全体の反発感情も強く、これを掲げることは、内閣や与党にとって、政権交代となりかねない危険性が大きい、非常に重々しい問題です。これまで何度も増税の方向性が見え隠れし、誰しもがその必要性を感じながらも先延ばしにしてきたのは、世論の影響を恐れてに他なりません。
しかし、目先の政治的判断から消費税の増税を躊躇していては、後世に大きな悔いを残すことになるのではないでしょうか。勇気を持って議論を行う必要があります。
増税する、しないの結論の前に、もっと税の問題自体を話題として取り上げ、将来を考えた税制がどうあるべきなのかを国民一人一人が真剣に考えられるように仕向けることが大切です。より国民の関心を集めるために、税の仕組みそのものからさまざまな形でアピールするのも手です。そうして多くの人が税制の問題を話題にし、議論を行う…、そうすることで、一つの方向が見出されてくるのではないでしょうか。
財務省主導の形で増税を唱えるから、国民に嫌悪感を与えるのです。財務省が唱える前に、国民の中から増税の必要性について意見することができる環境作りをしていくことが必須です。
消費税の問題は、国民の誰もが関心の高い、身近な問題です。それゆえに政権をも左右する大きな要素となっているのです。それが現時点では議論がなかなか進まない最大の要因となっているわけですが、現状、そして今後の日本の財政状況が、これ以上の先延ばしを許すことができない、抜本的な解決方法を欲している状況にあることは、国民も感じて始めているはずです。
もっと身近な話題として、税制が国民全体に議論されるような世の中になることこそ、大切なのではないでしょうか。新たな内閣に期待したいものです。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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