金融商品取引法が、2007年9月30日から全面施行されています。投資家保護を更に強化する狙いで、証券会社や銀行をはじめとする投資信託の取扱い機関においても、商品の説明や広告の方法等について見直しや対応が進んでいるようです。
もともと日本においては、リスクに対する説明が十分ではないと言われています。
私が以前FP協会に関係していた頃、何度かミッションで海外、特に米国に出向いていました。もう10数年前になりますが、米国のファイナンシャルプランナー関係の事務所を訪問した折、ビデオの概況説明の真っ先に必ずコンプライアンスの説明があったことが非常に印象的でした。当時の日本では、コンプライアンスという言葉自体は知られていましたが、具体的にこれを業務の中で真剣に取り上げるという例はあまり見受けられませんでした。
それが今では、大手銀行や大手メーカー等においてコンプライアンスに関しての立派な部門が出来るほど、各企業はコンプライアンスについて真剣に取り組み、さまざまな対応をする時代となっています。法令順守は当たり前のことではありますが、改めて優秀な人材を配置し統制をはかる必要性があるというのは、当たり前のことがなかなか当たり前に行われてはいなかったということの表れでもあります。
今回の金融商品取引法では、特にリスクについての説明を徹底することを重視しています。これは、私達が常々顧客の立場で物事を判断していく上で、非常に好ましいことだと感じています。アメリカの例ですが、リスク理解度のチェックリストが完備されていて、担当者は時間をかけて顧客と対応している姿を思い出します。
もともと投資信託のような投資は長期的スパンで考えるべきものです。例えば10年ぐらいを考えて投資するならば、途中である程度の浮き沈みが生じることはごく当然の話です。途中の動きに過剰に反応したりするのはおかしな話です。
リスクに対する考え方をきちんと理解した上で投資をするならば、沈んだ局面が許容範囲のリスクであるかどうかもきちんと判断できるようになります。この意味で、今回の金融商品取引法の施行を機に、リスクに対する教育が徹底され、リスクを受ける側のリスクに対する考え方が社会通念として大きく高まることを期待します。
名南経営センターグループ 代表
税理士・不動産鑑定士・CFP 佐藤澄男
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