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相続対策や収益事業としての賃貸住宅事業を行う方が珍しくありませんが、その事業の採算を考える際には、その建物の「減価償却費」を考慮する必要があります。 |
土地持ち資産家の方にとって最も一般的で最も効果的な相続税対策は賃貸
住宅(アパート・マンション)の建築といえます。しかし、年々賃貸住宅経営を取り
巻く環境は厳しくなっており、事前に事業として採算が合うかどうかを十分検討
する必要があります。そしてその際に、重要な要素となるのが減価償却です。
減価償却とは、建物・車両等の資産(減価償却資産)についてその使用可能
期間(耐用年数)にわたり、その資産の価値減少相当額(減価償却費)を費用
計上する方法です。
◎建物の耐用年数(住居用)
(1)鉄骨鉄筋又は鉄筋コンクリート(SRC造又はRC造)
耐用年数 47年(定額法による償却率 0.022)
(2)金属造(S造)骨格材の肉厚 4ミリ超
耐用年数 34年(定額法による償却率 0.030)
(3)金属造(S造)骨格材の肉厚 3ミリ超〜4ミリ以下
耐用年数 27年(定額法による償却率 0.037)
(4)金属造(S造)骨格材の肉厚 3ミリ以下
耐用年数 19年(定額法による償却率 0.052)
建築費1億円の建物の場合、各構造の減価償却費は下記の通りです。
(1)198万円 (2)270万円 (3)333万円 (4)468万円
上記のように、(1)と(4)では年間に経費計上できる減価償却費は270万円の差
差があり、同程度の収入の場合、税負担に大きな差が生じます。(4)の場合、
(1)よりも前倒しで減価償却できるだけであり、累計の減価償却費はほぼ同じ
金額になりますが、一般的に築年数の経過とともに、賃貸住宅の収益性(家賃
水準)は低下していきますので、収益性が高い時期に少しでも多く経費計上で
きた方が有利といえます。
また、賃貸住宅の建築費を金融機関からの借入で手当てする場合、構造によ
り借入期間はそれほどかわりませんので(かわっても10年程度)、借入金にて
耐用年数が長い賃貸住宅を建築すると資金繰りが苦しくなる可能性があります
ので、ご注意ください。
但し、耐用年数が長いということはそれだけ頑丈な建物ということであり、
高層の建物につきましては、そのほとんどが(1)の構造となっています。つまり、
建物の規模や収益性を考慮したうえで、適正な構造を選択する必要があるとい
うことです。
尚、建物付属設備の耐用年数は15年程度となっており、更に定率法(当初の
減価償却費が多く、その金額は年々減少する)の選択が可能なため、建築費に
含まれる建物と建物付属設備の割合(金額)を明確にすることにより、前倒し
で減価償却費を計上することが出来ます。しかし、ご自身で確定申告を行って
いる方の中には、建築費を全て建物として減価償却している人が少なくないよ
うですので、ご注意ください。
※一般的に建築付属設備は建築費の20%〜30%程度です。
(文:小田博敏)
2005.03.31 FZCN-News(第49号)より
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